第四世代抗原抗体検査法とPCR法によるウイルス遺伝子の検査方法について
●第四世代抗原抗体検査
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検査成績書の表示は保険請求の関係上「HIV抗原・抗体」ではなく、「HIV-1,2抗体価」と表記されます。
【検査の意義と解釈】
HIVは感染が成立して抗体ができても、ウイルスは排除されずに体内に残るため、抗体が陽性であることはすなわち感染を意味します。
HIV感染の診断には従来よりHIV抗体検査が実施されていますが、HIVに感染して抗体が検出できるようになるまでには数週間かかります。
感染してから抗体が検出できるようになるまでの期間を『ウインドウ・ピリオド』と呼ばれます。
一般的、抗体より先にHIVの体の一部のp24と呼ばれる抗原が検出されるため、感染後少しでも『ウインドウ・ピリオド』を短縮するためには抗原検出は有用な検査方法です。
第4世代抗原抗体検査は、第三世代のELISA(EIA)や凝集法(PA)よりも1週間早く検出することができます。
本法は、酵素免疫測定法を用いてHIV-1/2抗体およびHIVp24抗原を同時に検出するものであり、HIVスクリーニング検査として比較的早い時期の検査法として有用です。
●HIV-T核酸増幅定量精密検査 (HIV-1RNA定量)
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【検査の意義と解釈】
HIVはAIDS(後天性免疫不全症候群)を発症させる原因ウイルスで、持続感染の末に人の免疫システムを破壊し免疫不全を引き起こします。
その結果,発熱・疲労感・体重減少及びリンパ節腫脹等の全身症状に始まり、細胞性免疫不全を基調とし,原虫・真菌・ウイルス・細菌などによる日和見感染あるいはカボシ肉腫のような悪性腫瘍を併発します。
HIV感染者の血液中にはHIV RNAが存在し、HIVウイルス量を反映することから、感染の有無、病態の進行,治療開始時期や治療の効果判定に重要です。
本検査法は、PCRを用いHIV-1RNAを400〜750.000コピー/mlの測定範囲で定量できる検査法です。
現在では、HIVの早期感染を見つけるための検査法として採用されています。
この検査法は第4世代の抗原抗体検査よりも1週間早く検出することが出来ます。
●HIV-1RNA定量 [高感度法](HIV-1核酸増幅定量精密検査)
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【検査の意義と解釈】
HIVはAIDS(後天性免疫不全症候群)を発症させる原因ウイルスで,持続感染の末に人の免疫システムを破壊し免疫不全を引き起こします。
その結果、発熱・疲労感・体重減少及びリンパ節腫脹等の全身症状に始まり,細胞性免疫不全を基調とし,原虫・真菌・ウイルス・細菌などによる日和見感染あるいはカボシ肉腫のような悪性腫瘍を併発します。
HIV感染者の血液中にはHIV RNAが存在し、HIVウイルス量を反映することから、感染の有無、病態の進行,治療開始時期や治療の効果判定に重要です。
本検査法は、核酸抽出操作の前に検体を超遠心することにより従来法に比べより高感度にHIV-1RNAを検出できる検査法です。
従来法のウイルスの検出限界は400〜750.000コピー/mlですが、高感度法では50〜100.000コピー/mlとなり低濃度域のHIV-1RNA量を見つけることが出来る高感度の検査法です。
すなわち、HIV-T核酸増幅定量精密検査 (HIV-1RNA定量)より感度の良い検査法です。
現在では、HIVの早期感染を見つけるための検査法として採用されています。
この検査法は第4世代の抗原抗体検査よりも1週間早く検出することが出来ます。