献血時のHIV抗体検査通知を世界の国はどうしているのか??!!

1988年、国際赤十字・赤新月社連盟の輸血専門家国際グループは、「HIV陽性が確定されたときは、その結果を献血者に通知し、指導をすべきである」と勧告しています。

1944年、WHOは、国際輸血学会、国際赤十字・赤新月社連盟と共に「全ての献血者は、検査結果を知らされる機会を与えられること。HIVや他の感染症の病原体に感染していることを知らされた献血者は、適切なカウンセリングがなされ、専門医に紹介されるべきこと」とのコンセンサスを得たことを公表しています。

2001年、米国疾病予防センター(CDC)と連邦食品医薬品局(FDA)は、「血液サービスが、感染症検査陽性献血者へその結果を通知すべきこと」、「必要に応じて医学的なフォローアップとカウンセリングを行うべきと言うこと」を規定しています。

カナダの社会保健協会は、血液サービスあるいは、地域の保健機関が協力して、感染者陽性献血者に検査結果を適切に通知するよう勧告しています。

イギリスは、血液サービスは、HIV陽性献血者への検査結果の説明内容と方法及び健康相談等、献血者対応手順に関するガイドラインを公表しています。

欧米・アジア・オセアニアの各国の多くは、国際的な勧告や各国のガイドラインに従って、HIV陽性献血者に結果を通知して、カウンセリングを行っています。

アジア・オセアニア諸国で、HIV陽性献血者に通知もカウンセリングもしていない国は、バングラデシュ・インドネシア・韓国で、その他の国々では、不明な点が多く完全には把握されていません。

日本は、献血時にHIV陽性が判明したとしても、「検査結果は通知しません」と血液センターは公言しています。
日本のような、「通知・カウンセリングもしていない」国は、先進国ではありません。

しかし、善意の献血でHIV感染が判明した献血者を放置出来ないことから、実際は個々の血液センターの所長の判断で、「検査結果の通知・専門機関への紹介・以後の献血の辞退」を行っています。

このように、公式では、「通知をしない」と公言して、実際は血液センターの所長の判断で、対応しているという、矛盾が生じています。

その為、今後通知をどうするかの検討が専門家の間で論議されています。

検査を通知すれば、「検査目的の献血が増加する」との意見も確かに正しい意見ですが、善意で献血した献血者が感染が判明したときに、通知もしないで放置しておくことは、人道的に認められないと考えます。 国際赤十字・赤新月社連盟が、1988年に「HIV陽性が確定されたときは、その結果を献血者に通知し、指導をすべきである」と勧告したように、日本もその勧告に従い、善意の献血者への通知対応を明確に発表すべきと血液の鉄人は考えます。

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