Rh式血液型について−Rh(±)は存在するのか?

Rh式血液型は赤血球の表面にD抗原(物質)が存在するものをRh陽性またはRh(+)と呼び、D抗原(物質)がないものをRh陰性またはRh(−)と呼びます。

ところで、Rh(±)のことですが、一応あります。
正式にはRh(±)と呼ばずにDuと呼びます。

Duとは、赤血球の表面のD抗原(物質)の量がRh陽性に比べ非常に少なく、見かけ上はRh陰性のようですが、Rh陰性の様に赤血球の表面にD抗原(物質)が全くないわけではなく、わずかな量のD抗原(物質)が存在します。

そのため、Rh陽性の様でRh陽性でなく、Rh陰性の様でRh陰性ないことから、Rh(±)と呼んでもよいとおもわれますが、専門用語でDuと呼んでいます。
Duは以上のような性質をもつ血液のため、輸血の時には下記のようにします。

★輸血を受ける人がDuの時はRh陰性の血液をもらいます。
理由:Duの人はRh陽性の人に比べ赤血球のD抗原(物質)の量が非常に少ないため、D抗原(物質)の量が多いRh陽性の血液を輸血されると抗D抗体が出来るため。

★Duの人が献血者となる場合はRh陽性として扱い、この血液はRh陽性の人にしか輸血出来ない。
理由:Duの人はRh陰性の人に比べ赤血球のD抗原(物質)の量がわずかではあるが存在するため、D抗原(物質)全くないRh陰性の人に輸血すると抗D抗体が出来るため。
※抗D抗体とは赤血球の表面上のD抗原を破壊する物質です。

このように、DuはRh陽性のようでありRh陽性でなく、Rh陰性のようでありRh陰性でなく、Rh陽性とRh陰性の中間の血液型であるため、Rh血液型の変種と呼びます。
日本人におけるDuの発現頻度は血液の鉄人の研究によりますと、およそ0.003%でした。即ち、899,692人の血液を調べ、28人がDuでした。
このようにDuはRh陰性(日本人では0.5%)の人よりも非常に少なく稀な血液型と言えます。

血液の鉄人

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