人類最初の輸血について

 人類最初の輸血は1667年にイギリスとフランスで同時に行われた。 イギリスではオックスホードの若き生理学者で内科医のリチャード・ローワーが、22歳のアーサー・コガに羊の血液の輸血を行った。
 輸血中コガは発汗をみたのみで何の副作用も起こらなかった。
 また、同年フランスの哲学数学者で医師のジャンーバチスト・ドニーは長期間の発熱性痙攣で深い昏睡に陥っていた15歳の少年に羊の血液を輸血した。
  輸血後少年は非常に元気になったそうである。
不思議なことにこの二症例とも何の副作用もなく成功したことは非常にラッキーなことであったとしか思えない。
人類最初の輸血の優先権は長期間決着がつかなかったが、最終的にはイギリスのローワーは人類最初の動物の血液の輸血を行いその経過を詳細に記述した、一方のフランスのドニーは人への輸血を最初に成功させことの名誉を受けている。
 その後、若返りの為に健康な若者の血液や動物の血液の輸血が行われたが、激しい溶血性反応を呈し死亡する例が多発したことから、1678年人に対しての輸血実験禁止の命令が各国で時の権力者から出され、以後150年間輸血は行われなくなった。


 以上輸血のエピソードのひとつを紹介しましたが、詳しくは今後このHPで輸血の歴史を逐次紹介しますのでぜひともアクセスして下さい。

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