ABO式血液型の抗A(凝集素α)、抗B(凝集素β)はどのようにして出来るのか

A抗原及びB抗原は糖タンパクを基礎にして作られますが,抗体の抗A(凝集素α)、抗B(凝集素β)はどの様にして造られるかは未だ解明されていません。
胎児の抗体の産生は分娩直後に始まりますが、自分自身が造るのは生後2ヶ月前後からで,それまでは母親から胎盤を経由してもらったものだけです。
したがって新生児体内の抗A(凝集素α)、抗B(凝集素β)は母親由来のものです。
その後成長と共に自分自身で各種の抗体産生が始まり、母親由来の各種抗体や抗A(凝集素α)、抗B(凝集素β)は徐々に消失していきます。

現在もっとも有力な説は、
自然界にABO式血液型の抗原と共通の抗原性を持つものが多く存在し、生後これらの抗原にさらされること,すなわち呼吸により吸い込む食べ物として摂取するなどすることにより、身体の免疫作用により自然に抗A(凝集素α)、抗B(凝集素β)が造られると考えられています。
新生児は生後6ヶ月前後で抗A(凝集素α)、抗B(凝集素β)が自然に造られると考えられています。
現在までに多くの研究者が遺伝による説明を行いましたが、いづれも満足のいく説明ではなく遺伝により抗A(凝集素α)、抗B(凝集素β)が造られるという説は否定されており、上記に説明しました説が現在は有力です。

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