1996年
- 1988年に国内の献血血液の輸血を受けた40代男性のエイズ発症例が報告される("window period"の汚染血液による感染の疑い?)。
- 国連エイズ計画が世界のエイズ感染者が2,180万人と推定。
- CDCが20代後半の女性に通常のHIV抗体検査で検出できない新型の"グループO"を検出("グループO"は1989年アフリカで発見)。
- 第11回エイズ国際会議(バンクーバー)において、複数のエイズ治療薬の組み合わせによる治療で、画期的な治療効果が得られると報告。
- FDAがHIV抗原検査試薬を認可。
- 日赤献血者におけるHIV抗体陽性者数6,039,394人人中46人。
1997年
- 厚生省エイズサーベイランス委員会は1996年1年間でエイズ患者・感染者対前年度比37%増の610人で1985年以降過去最多となり、一時減少していた女性の患者・感染者が再び増加に転じ、累計数で4,771人(血液凝固製剤による感染を含む)と発表。
- 1993年に手術で日赤献血血液の輸血を受けた女性がHIVに感染を確認。
- HIV感染者からの献血血液の輸血によりHIVに感染(1986年にエイズ抗体検査を導入以後初めての感染例と認定される)。
- わが国における献血によるHIV感染は、抗体検査導入以前8人、海外での輸血19人、国内か海外かの不明例10人、今回の例1人の計38人。
- CDCが「新タイプの治療薬と従来の2種類を組み合わせた3剤併用療法などの効果により、感染者の発症を遅らせる効果」により、米国のエイズ発症者が初めて減少したと報告。
- FDAがエイズワクチンの臨床試験を許可。
- 国連エイズ計画が世界のHIV感染者3,000万人を突破と発表。
- 日赤献血者におけるHIV抗体陽性者数5,998,760人中54人。
1998年
- ベルギー領コンゴのバントゥー族の男性から1959年に採取され保存されていた血漿からHIVを発見(最古のHIV)。
- 日赤献血血液による新鮮凍結血漿の愉注を受けた男性がHIVに感染し発症していたことが判明(国内献血由来血液による感染は1986年にHIV抗体検査導入以来4例目)。
- 米国厚生省が"高活性抗レトロウイルス療法"の普及に伴い、1997年の米国国内のエイズ死亡者が前年のおよそ半数に激減と発表。
- 第12回エイズ国際会議(ジュネーブ)において、逆転写酵素阻害剤2種とプロテアーゼ阻害剤4種の計6種の治療薬に耐性を持つHIVの報告。
- 世界のエイズ患者の発生状況:197ヵ国1,893,784人(6月末現在)。
- 厚生省エイズ動向委員会が国内の累積エイズ感染者4,044人と発表。
- 日赤献血者におけるHIV抗体陽性者数2,998,696人中26人(6月末現在)。
- 国連エイズ計画が98年に世界で新たにエイズに感染した者は580万人で、患者・感染者は3,340万人。また、580万人の新感染者の半数は15〜24歳の年齢層と発表。
- 第12回日本エイズ学会(東京)において、厚生省の研究グループが、1987〜98年に全国1,234施設で受診したHIV抗体陽性妊婦54人中出産した39人のうち、36人を追跡調査した結果、帝王切開25人中1人(4%)、経膣分娩11人中6人(55%)に母子感染が認められたと発表。
1996年〜1998年の年表│エイズの歴史|新 医学と切手の極意