2005年
- HIVに感染した夫の精子からHIVを除去した精子を使っての人工授精で2000年から2005年までに27人の子供が誕生。
西アフリカで輸血を受けた日本人男性がHIV-2に感染したことが確認される。- 夕刊フジで『新医学と切手の極意』が紹介される。
- 妊婦のエイズ抗体検査の受診率の都道府県による地域差拡大(0.1〜100%)と厚生労働省研究班が発表。
- 2005年現在、4000万人がHIVに罹患しており2500万人が既に死亡。
- 「薬が効かない薬剤耐性のHIVが国内でも広がっていることが、厚生労働省研究班による全国的な調査で明らかになった。新たな感染者の約5%で、耐性ウイルスが見つかった。欧米の10〜20%よりは低率だが、本格的な感染拡大が心配される。1日、熊本市で開催中の日本エイズ学会で発表された。
- 世界保健機関(WHO)と国連合同エイズ計画(UNAIDS)は29日、2005年末までに発展途上国のHIV感染者300万人に対して抗ウイルス薬治療を施す目標は「達成できそうにない」として、03年末に設定した目標達成を事実上断念する中間報告を発表した。
国連によると、HIV感染者は推定3900万人に達し、このうち200万人以上が子どもで、昨年1年間のエイズによる死者は300万人で、500万人以上が感染した。- 厚生労働省のエイズ動向委員会は、2004年一年間のHIV感染者・エイズ患者 新規報告数は速報値ベースで1114人と、初めて年間1000人の大台を超えたと発表。 感染経路ではここ数年、男性同士の性行為による感染の報告件数が急カーブの右肩上 がり曲線を描いて増加し続け、異性間の性感染は横ばいに近いゆるやかな上昇曲線で、報告されていない感染、つまり感染はしているけれども気が付いていない人が増加していることもデータの分析からは推測。
2004年末、国連合同エイズ計画(UNAIDS)の最新推計では、世界で最もHIV感染者数の増加率が高いのは中国や日本を含む東アジアで、地球上で最も遅くまでHIV感染の拡大を免れていた地域と考えられていた東アジアでも、とうとうエイズの流行が本格化したと発表。- HIV感染児への授乳は母親への感染リスクを15倍以上にするとイタリアで報告される。
厚生労働省が、エイズ対策の基本となる「予防指針」を全面的に見直し、都道府県など自治体を予防対策の中心に位置づけて検査・相談体制の強化に取り組むことを決める。- 厚生労働省は、来年から6月1日を含む1週間をエイズウイルス抗体検査普及週間(仮称)とし、期間中は全国の保健所などで平日の日中だけでなく、休日や時間外の検査を行うと発表する。
HIV感染を調べる夜間の検査、土日の検査、即日で結果が分かる迅速検査の3つをいずれも導入していない自治体が、都道府県や政令指定都市など127自治体の約3割に当たる38自治体あることが、厚生労働省の調査で明らかとなる。- アジア・太平洋地域におけるHIVの新規感染者数が今後5年間で1200万人に達する恐れがある見通しを、国連合同エイズ計画(UNAIDS)が最新の報告書で明らかにする。
米疾病対策センター(CDC)が、米国内のHIV推定感染者数が03年末で103万9000〜118万5000人になったと発表。- エイズ克服に向けた取り組み状況などを話し合う国連総会エイズ高級レベル会合が、ニューヨークの国連本部で開催。
- 南アフリカの公衆衛生に関する独立調査機関、医療研究評議会が、同国国民の死亡原因のトップがエイズであると結論付けた調査報告書を発表。
- HIV感染者の歯科診療受け入れに関する厚生労働省研究班の調査で、歯科医440人の28%が「原則として断る」と回答していることが分かる
- HIVの感染率を3〜5倍高める性行為感染症が、性体験のある高校生のうち約1割に広まっていることが厚生労働省の研究班の調査で分かる。
- 日本で報告されたHIVの感染者とエイズ患者の合計が、85年に最初の患者が確認されて以来、初めて1万人を超えたことが、厚生労働省のエイズ動向委員会(委員長=吉倉広・前国立感染症研究所長)のまとめでわかる。
- 妊娠初期にHIV抗体検査の一次検査で「陽性」とされた妊婦のうち、その後の確認検査で陽性と判定された人が4-10%にとどまることが、厚生労働省研究班(主任研究者・稲葉憲之独協医大病院長)の調査で分かる。
- 多剤耐性で病気の進行が早いHIV-1の出現、日本でも起こりうる可能性があると専門家が指摘。
- 感染からわずか4カ月で発症する恐怖の新型エイズについて、Lancet誌が症例検討結果を急遽掲載
- HIV感染者の4割近くが、感染判明後に転職か離職を経験していることが厚生労働省の研究班の調査で分かる。
- シンガポール政府は、エイズ感染者数の急増に対応するため、すべての妊婦に対してHIV感染の有無を調べる検査を義務づける方向で検討に入ったことを明らかにする。
- ニューヨーク市の保健当局が、複数の薬を服用する多剤併用療法が効かないうえ、感染から発症までの潜伏期間が極めて短いとみられるエイズの患者を確認したと発表。
- HIVへの感染しやすさや症状の進行を左右する遺伝子を、米テキサス大を中心とする国際チームが新たに特定し、米科学誌サイエンス(電子版)に発表。
2005年の年表│エイズの歴史|新 医学と切手の極意