夕刊フジ 血液の鉄人氏が「感染の可能性は少ない」

夕刊 フジに当サイト『新・医学と切手の極意』が取り上げられました。

4回の連載の第2回目に『新・医学と切手の極意』が、【2.血液の鉄人氏が「感染の可能性は少ない」(2005年5月25日)】として紹介されていますので、この記事をご紹介致します。

   『追 跡』
エイズかも…
       〜60日間の憂うつ〜

1.“手コキ”エステ店でクラミジア感染!? (2005年5月24日)

2.血液の鉄人氏が「感染の可能性は少ない」 (2005年5月25日)

3.「周りに相談相手がいない」だから風評に惑わされる (2005年5月26日)

4.ドラマ終われば「他人事」だが、誰でも陥る“危機” (2005年5月27日)

上記記事の全文は、ZAKZAK で閲覧できます。



【不安で毎朝5時に目が覚めた】

 風俗エステで唾液(だえき)を局部につけられ、「エイズ感染か…」という不安に完全に取りつかれた。排尿痛で抗生物質を飲み始めて1週間。泌尿器科で検査結果が出た。

 「大腸菌、あと雑菌。クラミジアは検出されなかったけど、その線も捨て切れない。性行為以外で尿道炎になることはない」(主治医)

 尿道の分泌物を分析する検査は、感度がそれほど高くない。結局、クラミジアに感染したかどうかうやむやのまま、抗生物質をさらに2週間分処方された。

 一方、「クラミジアに感染したからエイズにも…」と不安はさらに強まる。「皮膚炎にエステ嬢の生理の血が付いたら…」「唾液の中に血液が混じっていたら…」と不安は想像力を豊かにする。

 なぜか毎朝5時に目が覚め、不安に襲われた。パソコンを立ち上げ、インターネットで「エイズ」と検索。医療機関や民間団体の情報を延々と読みあさる。

 「傷口から感染する」というサイトがあれば「感染しない」とするサイトも。エイズウイルスは血液、精液、膣分泌液、母乳から感染する。つまり性行為、輸血、母子感染、薬物乱用は感染リスクが発生する。

 だが「性行為」といえども48手ではないが、色々ある。勃興(ぼっこう)するヘルスやイメクラ、風俗エステでは、感染するか否か微妙なプレーが多く、ネット上の掲示板では「スマタで感染する?」「アソコを口に含んでもらったけど大丈夫?」「ささくれからうつる?」など、不安に悩む声なき声が次々と書き込まれている。

 そんな不安を和らげるサイトを見つけた。30年以上にわたり感染症を研究する血液の専門家「血液の鉄人」氏(56、ハンドルネーム)のサイトだ。感染不安の悩みに対し、専門家の立場から素早く回答する。

 心配する行為を掲示板に書き込んでみると、鉄人氏は「感染の可能性は極めて少ない」と即答してくれた。

 鉄人氏は「感染した人の聞き取り調査に立ち会い、憔悴(しょうすい)したその人を目の前にして、何の役にも立てない自分に腹が立った」という。

 だが、「専門家のサイトは難しすぎて、一般の人には理解しにくい。行政やその他のサイトは、通り一辺の内容と回答しかなく、一般の人たちが疑問に思ったり、悩んだりしていることに対して、役立っていない」(鉄人氏)。

 そこで一念発起し、平成15年9月にサイトを開設した。これまで掲示板には約4500件もの相談が寄せられている。

 プライベートな時間を割いて、質問のひとつひとつに丁寧に答える鉄人氏。

 「何回も挫折しそうになったが、相談に乗った方々から『相談してよかった』『陽性と思い自暴自棄になっていたのに、アドバイスを受けて検査を受け陰性だった』など、お礼の書き込みやメールが届き、それに感動し、困っている人たちの役に立てばと思い、がんばり続けております」

 ネット上の“駆け込み寺”へは毎日、昼夜を問わずエイズ不安が寄せられる。鉄人氏は「統一の取れたエイズの正しい知識と予防の啓蒙(けいもう)普及が行われていないため、誤った情報がちまたにあふれ、これらを見た人たちは悩む」と、エイズ問題になおざりな社会風潮を批判した。

 血液の鉄人氏のサイト「新医学と切手の極意」は、https://voxsangman.com/

(取材・鎌田剛)

新 医学と切手の極意