医学に関するアラカルト−その9.頭蓋骨・乳房・貼付・口腔・初産・出生の読み方−
頭蓋骨の読み方
"ずがいこつまた"は、"とうがいこつ"と読みます。
頭蓋骨(ずがいこつ、とうがいこつ)は、頭の全体的な枠組みとしてはたらく、有頭動物の骨様構造です。
頭蓋骨は、顔の構造を支持し、脳を外傷から保護する働きをしています。
一般的な読み方としては、"ずがいこつ"と"とうがいこつ"の両方を使いますが、解剖学では"とうがいこつ"のみ使用します。
形質人類学では頭骨と表記して「とうこつ」と言い、「ずがいこつ」という読み方は学問的には使用されません。
なお、医療の場では他に橈骨(とうこつ)が存在するため、"とうこつ"と呼ぶ事は稀です。
※橈骨(とうこつ)とは、四肢動物の前肢を構成する骨で、前腕の二本の長い骨のうちの一つです※
貼付の読み方
貼付は、"ちょうふ"と読みます。
意味は医療現場では医療用テープや貼り薬について用いられることが多い言葉です。
慣用読よみとしては、"てんぷ"とも読みますが、正しくは"ちょうふ"です。
貼付剤を“てんぷざい”とは読みません。
乳房の読み方
乳房は、"にゅうぼう"または"ちぶさ"と読みます。
"にゅうぼう"は、医学的な読み方で、"ちぶさ"は一般的な読み方です。
したがってどちらも正しいわけです。
"にゅうぼう"は音読み、"ちぶさ"は訓読みです。
専門分野別に、どちらかを限定して使うことがありますが、どちらも一般的な読み方です。
口腔の読み方
一般的には「口腔」と書いて"こうこう"と読みますこれが本来の読み方です。
「口腔衛生」や「口腔外科」については、それぞれを"こうくうえいせい"、"こうくうげか"と読みます。
「口腔衛生」や「口腔外科」の「腔」を"こう"とは読まずに"くう"と読むのは、それぞれが医学用語の読み方をしているからなのです。
現在での口腔の読み方としては、"こうくう"と"こうこう"はどちらも正しい読み方となります。
ただ一般的には口腔は"こうくう"と読むことがほとんどです。
初産の読み方
初産の正しい読み方は、"しょさん"・"しょざん"・"ういざん"・"はつざん"になります。
一般的には初産は"ういざん"と読むことが多いです。
医学用語としての読み方は、"しょさん"です。
出生の読み方
一般の読み方は、"しゅっしょう"と読みます。
医学的な読み方は、しゅっせい"と読みます。
出生率は、"しゅっせいりつ"と読まず"しゅっしょうりつ"と読みます。
「出生率」を"しゅっせいりつ"と読むのは、慣用読みで間違いではありません。
ただし法律用語では「出生届」を"しゅっせいとどけ"と、「出生前診断」を"しゅっせいぜんしんだん"と読むこともあります。
「出生」は、慣用読みと正式な読み方が混在しているややこしい言葉なんです。
現在での出生の読み方としては、"しゅっせい"と"しゅっしょう"はどちらも正しい読み方となります。
written by 血液の鉄人
記事執筆日
2021年6月6日。
医学に関するアラカルト−その9.頭蓋骨・乳房・貼付・口腔・初産・出生の読み方−
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