脂漏性湿疹とHIVの関係

脂漏性湿疹とは

脂漏性皮膚炎とも呼ばれ、皮脂腺が多く皮脂の分泌の多い場所にできます。

皮膚が荒れてカサつき、痒みをともない、赤くなったり、皮膚がはがれてくる場合もあります。

特に頭にできた場合、皮膚がはがれてくるためフケ症と勘違いしてしまうこともままあります。

治療せずに放置しておくと悪化し皮脂が酸化されて、加齢臭のようなニオイを放つ原因にもなります。

脂漏性湿疹の出来やすい場所

頭皮、髪の生え際、眉間・眉毛、鼻のわき、耳の中と後、脇の下、前の胸。

脂漏性湿疹になる年齡とは

新生児から生後３ケ月くらいまでの赤ちゃんと、思春期以降の成人に多く見られますが、 赤ちゃんでは自然治癒することが多いのに対し、成人では慢性化する事が多いです。

脂漏性湿疹の原因

赤ちゃんと成人では異なります。

赤ちゃんでは、皮脂の分泌が盛んなことと、毛穴が未発達なため分泌された皮脂が毛穴に詰まりやすいことが原因となります。

成人での主たる原因としては、マラセチアという真菌によって引き起こされます。

原因については不明かことが多く、ストレス、ビタミンＢの不足、不適当な洗顔やすすぎ不足や洗いすぎの洗髪、生活習慣 の乱れなどもあげられています。

免疫力の低下が大きく関係しているとも言われています。

マラセチアとは何?

健康なヒトの皮膚に普段から存在している常在菌です。

皮脂を好み、皮脂が多い環境下で異常増殖すると、その代謝物が肌に炎症を引き起こします。

マラセチアとはどの様にして脂漏性湿疹を引き起こすのか?

マラセチアは皮脂や汗の多い環境を好むため、皮脂の過剰分泌がマラセチアの異常繁殖大きな原因のひとつとなります。

特に男性ホルモンは皮脂分泌を促進することから、脂漏性湿疹の患者は男性のほうが多いと言われています。

しかし、男性だけではなくホルモンバランスの乱れなどにより、女性にも珍しくない疾患です。

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脂漏性湿疹になるとHIVに感染しているのか?

免疫力の低下で脂漏性湿疹を発症すると言われていることから、脂漏性湿疹になるとHIVに感染していると飛躍的に考えられてし まう訳です。

当然HIVに感染していない脂漏性湿疹患者のほうが圧倒的に多いのが現実です。

HIVに感染して免疫力が低下すれば、当然脂漏性湿疹を発症しやすくもなりますが、 現実脂漏性湿疹は誰しもがなるありふれた皮膚疾患ですから、脂漏性湿疹になったからといって、すぐにHIVに感染して いると思い込む必要はありません。

脂漏性湿疹イコールHIVと直結する必要はありません。

脂漏性湿疹になったからといってすぐにHIVに感染していると思い込むのは早計です。

巷では脂漏性湿疹とHIVの情報がひとり歩きしていると思わざるを得ません。

インターネット上はいろんな情報があふれていますので、惑わされること無く冷静に正しく判断していくべきです。

実際皮膚科医でも脂漏性湿疹の患者を診察しても、HIV感染を疑うことはなく、HIV検査も実施しません。

脂漏性湿疹の予防法

脂漏性湿疹は、生活習慣の改善でかなり予出来る疾患です。

朝晩の1日2回の適切な洗顔、毎日の洗髪によって脂漏部位を清潔に保つことが発症の予防や症状の 改善につながります。

最近はマラセチアなどのカビに効く抗真菌剤が含まれたシャンプーや石鹸も医薬部外品として薬局で市販されていますので、 日々の使用により予防効果が期待できます。

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食生活にも注意して、ビタミンB群を多く含む食品を積極的にとるようにして皮脂分泌を高めたることと、皮膚に刺激をもたらす脂肪 、糖分、コーヒー、アルコール、香辛料などはとりすぎないように注意する必要があります。

最後に重要なこととして、脂漏性湿疹の増悪因子となるストレス、過労、睡眠不足なども注意して規則正しい生活を心掛ける よう努力するが大切です。

脂漏性湿疹の治療法

脂漏性湿疹の当初の症状は軽い炎症による赤らみやかゆみ程度なので、多くの人は市販の軟膏などで対処しよう としますが、これでは一時的には症状が軽減されても増殖したマラセチアには効き目がありません。

一時的に症状が収まったように見えますがすぐに再発してしまいます。

更に使用するクリームなどの刺激によって、かえって症状が悪化する可能性もあります。

脂漏性湿疹と思われる症状が出れば、すぐに皮膚科専門医を受診するのが最善の選択肢です。

皮膚科では症状にあった抗真菌薬の塗り薬が処方されますから、医師の指示通り塗るのが大切です。

抗真菌薬には、マラセチアの活性をおさえる効果があります。

そして皮膚の症状によっては、抗生物質、荒れた皮膚の回復のために尿素入りのローションやビタミンＢ、Ｃなど が一緒に処方されます。

頭皮の脂漏性湿疹の場合には、低刺激性のシャンプーや抗真菌剤の入ったシャンプーも必要となりますから 皮膚科医に相談されることです。

悪化した脂漏性湿疹は、なかなか治りにくいので、医師の指示通り気長に治療する必要があります。

絶対途中で止めたり、素人療法を行ってはいけません、ますます悪化することになりかねません。 また、脂漏性湿疹は一度症状が出てくると慢性的な経過をとることが多く、自然に治ることはまずありません。

脂漏性湿疹の治療上の注意点

脂漏性湿疹になりやすい顔面や首は皮膚が薄いことから長期間ステロイド外用薬を使用すると 副作用が出てくることから弱めのステロイドを選択する必要がありますので、ステロイドがよく聞くからといって 素人療法法をしてはいけません。

ステロイドを漫然と塗り続けることは副作用を引き起こすことからして避けるべきであり、症状が改善すれば 通常は外用 を中止しますが、外用を中止するとしばらくして症状が再発してくることがよくあり ます。

そのためにも皮膚医の指示通り外用薬の治療を受ける必要があるのです。

まとめ

脂漏性湿疹は、だれにでも起きる疾患ですから、脂漏性湿疹になったからHIVに感染しているとは言い切れません。

しかし、HIV感染者が脂漏性湿疹を発症しやすいというのも事実ですから、HIVに感染するような不安な行為をして以降脂 漏性湿疹になった場合はHIV検査を受けることです。

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written by 血液の鉄人