伝染性単核球症(キス病)とは?
伝染性単核球症(キス病)とは何ですか
伝染性単核球症(でんせんせいたんかくきゅうしょう)とは、 主にエプスタイン・バール・ウイルス(EBV:以下EVウイルスと略)の初感染によって生じる感染症です。
伝染性単核球症(キス病)はどのようにして感染するのですか?
キスによる感染が多いので、アメリカでは「キス病」と言われています。
キスや飲み物の回し飲みなど、口からの感染が多い病気です。
エプスタイン・バール・ウイルス(EBV)の初感染によって発症し、一般的にEBVは多くの人が小児期に感染し、全く自覚症状を伴わず不顕性感染しています。
成人期には80%以上の人が、すでに感染して抗体を有している為に、成人で感染することは稀ですが、最近では成人期に初感染する事例が多いことが報告されています。
伝染性単核球症(キス病)の感染する場所はどこですか?
唾液中に病原体が存在することか、キスのみで感染します。
EBウイルスがある型のリンパ球に感染すると、そのリンパ球を攻撃する別の型のリンパ球が増加します。
その結果、最初は発熱に始まり、次第にリンパ節が腫れてきます。
ウイルス感染したリンパ球を攻撃する場所が肝臓に及ぶと肝炎と似た症状となります。
感染するとどのような症状が出るのですか?
一般に、「発熱」、「咽頭痛」、「リンパ節腫脹」の三徴を特徴する症状が現れます。
症状としては、だるさ、食欲不振、少しの酒で酔いが回り、場合によっては、尿の色や白目の色が黄色または茶色っぽく変わる黄疸を起こすことがあります。
伝染性単核球症(キス病)を治療しないとどうなるのですか?
幸いな事にほとんど自然に治ってしまいます。
思春期以降に感染した場合、約50%が発病しますが、約4〜6週間で症状は自然になくなると言われています。
6ヶ月以上症状が続く場合は重症化している可能性があり、注意が必要ですので受診されることです。
伝染性単核球症(キス病)の検査はどのような検査があるのですか
血液検査では、ほとんどの症例でAST・ALT値の上昇が見られることから、肝炎と診断を誤ることがあります。
白血球総数は、正常かやや増加、好中球数は正常かやや減少し、リンパ球の著しい増加、異型リンパ球の出現(5%以上になることが多い)が特徴的です。
抗EBV EA-IgG抗体または、抗EBV VCA-IgM、抗EBV VCA-IgG抗体、抗EBNA-IgG抗体の抗体価を測定する。
抗EBNA抗体が初感染後、数ヶ月を経ないと出現しないのに対し、抗EA、VCM抗体は急性期にも出現します。
1.初感染パターン
抗EBNA抗体陰性、抗VCA-IgGまたは/かつIgM抗体陽性となりますが、抗EA抗体は偽陰性が多いが、EA陽性ならば急性感染の可能性が高い。
2.既感染パターン
抗EBNA抗体陽性、他の抗体は(通常)陰性となれば、このような場合は症状の原因としてEBV感染は考えにくい。
EBウイルスについては、抗CMV-IgGおよびIgMを調べたり(IgM陽性例は急性感染の可能性が高い)、血液中のEBウイルスDNAを核酸増幅法(PCR)で調べることもある。
伝染性単核球症(キス病)の検査はいつ受けたらいいのですか?
唾液を介するオーラルセックスの後、4〜6週後に症状が出ますので、その際に受診して検査を受けることです。
しかし、感染しても症状が出ない人もありますから、検査を受ける時期を判断するのは難しいです。
伝染性単核球症(キス病)の治療法はどのようにするのですか?
伝染性単核球症に特異的な治療法はなく、対症療法が中心となります。
肝脾腫が強い例では、腹部への衝撃により脾破裂が起こった例もあるため、安静が必要となります。
抗生物質は、伝染性単核球症それ自体には効き目がありません。
しかし、伝染性単核球症になると、比較的高率に細菌による混合感染を起こすことがあるので、血液検査所見から細菌による混合感染が疑われた場合には、抗生物質の投与を行います。
発熱が長期に持続する、全身状態が著しく不良である、血球減少が見られ血球貪食症候群の合併が懸念される、などの重症で例では、副腎皮質ステロイド投与やガンマグロブリン大量投与が行われることもあります。
伝染性単核球症(キス病)感染しているとHIVに感染しやすいのですか?
性器粘膜をタダレさす事がないので、HIVに感染しやすくなることはありません。
伝染性単核球症(キス病)の感染予防はどのようにすればよいのですか?
唾液中に存在するEBウイルスから感染することから、唾液が口の中に入る行為、キスや飲み物の回し飲みなどの経口感染します。
精液や膣分泌液から感染する性行為感染症ではありませんので、コンドームによる感染予防は出来ません。
その為に、EBウイルス感染者の約15〜20%は、無症状の状態でウイルスを持っており、唾液中に排泄されている事からして、感染予防を行うことはまず不可能です。
言い換えれば、ほとんどの成人はすでに、小児期に感染して、抗体を持っていることからして、 特に感染予防法は無いのが実際です。
伝染性単核球症(キス病)の現状は?
米国では幼児期の感染率は20%と低く、青年期で感染するケースが多く報告されています。
米国の大学生の感染は、年間で10万人当たり1万2000人と報告されています。
一方日本では2〜3歳までに70%が感染し、20歳代で90%以上が抗体を持っていると言われてます。
最近の先進国では、乳幼児期に親が口移しで食べ物を与える機会が少なくなった(衛生思想の向上?)ことから、乳幼児期に感染することなく思春期にファーストキスをして感染する機会が多くなってきています。
感染しやすい状態があるのですか?
日本では小児期に感染している人が多く、症状のないまま抗体ができていることが大半です。
一度感染して症状が治まれば、再感染はしませんが、ヘルペスと同じように免疫力が低下した場合、発病することもあります。
1回の性行為での感染率は?
性行為感染症ではありませんので、性行為からの感染はありません。
注意することは、唾液が口の中にはいるようなオーラルセックスで感染します。
小児期に感染していない人が、EBウイルスを含む唾液が口の中にはいると、ほぼ100%感染し、50%の人が発病します。
何科を受診すればいいのですか?
男女とも内科を受診して下さい。
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written by 血液の鉄人
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