口腔カンジダ症
AIDSによる口腔カンジダ症
口腔カンジダ症とは、その名の通り口の中にできるカンジダ症のことです。
HIV感染症による免疫力低下のために口腔だけでなく咽頭・食道にカンジダ症が発現します。
口腔内には、常在菌であるカンジダ・アルビカンスが存在し、免疫機能が正常なときには、カンジダは発症しません。
口腔内環境の悪化といった局所的因子の他に何らかの基礎疾患(血液疾患、AIDSといった免疫不全症、糖尿病など)によって、抵抗力の弱い乳幼児や高齢者、 免疫抑制剤や抗菌薬の投薬治療を受けているといった全身的因子による発症がみられます。
口腔カンジダ症の症状としては、舌や頬などの口腔内の粘膜に白い苔のようなものが付着し、剥がすと赤く腫れています。
この病巣は痛みを伴い、その部分に刺激を与えたり、また歯を磨いたりした際に出血することもあります。
舌が痛くなったり、違和感を感じたり、味覚がおかしくなったりすることもあります。
またHIV感染者の初期症状としてよく現れるということも重要なポイントのひとつです。
慢性型のカンジダ症の場合、細胞性免疫が重要な役割を果たすとされており、そのためCD4陽性T細胞の減少によってAIDS患者への発症が多いことが知られています。
治療法としては内服薬や塗り薬が使われますので、基本的に検査、治療ともにそれほど難しい病気ではないので、舌に違和感を感じたり、 白いものが付着していると思ったときは早めに受診してください、素人判断は危険です。
初診に適した科は皮膚科・口腔外科・耳鼻咽喉科です。
健康な成人が口腔カンジダ症にかかることは非常にまれですが、HIVに感染するリスクのある行為をしたときには注意が必要となります。
舌の一部に出来た口腔カンジダ
舌全体に出来た口腔カンジダ
written by 血液の鉄人
口腔カンジダ
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