前立腺炎について
前立腺炎について
前立腺炎とは何ですか?
- 前立腺炎とは、前立腺が炎症を起こした状態で、あらゆる年代の男性に起こります。
- 前立腺炎には急性前立腺炎と慢性前立腺炎の2種類があります。
- 急性前立腺炎では大腸菌が原因のことが多く、慢性前立腺炎ではクラミジアや弱毒性細菌が原因のことが多いようです。
急性前立腺炎と慢性前立腺炎ではどのように違うのですか?
- 急性前立腺炎
尿道から侵入した細菌が前立腺に感染して起こる病気です。
- 慢性前立腺炎
前立腺の炎症が慢性的に続いている状態をいいます。
前立腺炎になるとどのような症状が出るのですか?
- 下半身に様々な症状が現れ、前立腺とは関係ないように思われる部位にも症状が現れます。
- 排尿症状:頻尿、残尿感、尿の勢いが弱い、排尿後尿が漏れてくる、排尿痛、尿道の違和感
- 腹部症状:下腹部、足の付け根、会陰部(肛門の前)の鈍痛、違和感、不快感
- その他:睾丸の鈍痛や不快感、陰のうの痒み、下肢(特に太もも)の違和感、しびれ感、勃起障害(ED)の原因になることもあります。
前立腺炎を治療しないとどうなるのですか?
- 急性前立腺炎のうちにしっかりと治療して治しておかないと、治りにくい慢性前立腺炎に移行します。
前立腺炎の検査はどのようにするのですか?
- 肛門から指を入れて前立腺を診察し、前立腺に痛みがあれば前立腺炎と診断します。正常の方は前立腺に痛みはありません。
- 尿検査で尿に白血球(炎症細胞)が出ているかの検査と、尿細菌培養検査で細菌の有無を確認します。
- 最近ではクラミジアによる前立腺炎も見つかっていますので、性行為があった場合は尿のクラミジア検査を追加します。
- 前立腺に痛みがあっても尿検査で異常がないこともありますが、慢性前立腺炎(慢性骨盤内疼痛症候群)として治療を進めます。
前立腺炎の治療法はどのようにするのですか?
- 抗生物質、植物製剤(セルニルトン)、漢方薬などで治療します。
- 通常2〜4週間前後で症状は軽快しますが、症状が完全に取れなくて長期間(数ヶ月単位)の治療が必要になることもあります。
- 治癒・再燃を繰り返すこともあるので、日頃から日常生活について注意する必要があります。
- 尿がスムースに出ない場合は、前立腺部の尿道抵抗を取るα1ブロッカーを使うこともあります。
淋菌性結膜炎の検査はいつ受けたらいいのですか?
- 性行為の1〜3日後、強い結膜充血、浮腫、眼痛が起こり、大量のクリーム状の濃い眼脂が出た場合、直ぐに受診することです。
前立腺炎の検査はパートナーと二人で受ける必要があるのですか?
- クラミジアなど性行為感染症の病原体が原因で発症した場合は、パートナーもこれら性行為感染症に感染している可能性が高いことから、性行為感染症の検査を受ける必要があります。
前立腺炎になるとHIVに感染しやすいのですか?
- 前立腺に炎症が起きることから、これが原因でHIVに感染しやすくなることはありません。
性行為で前立腺炎になりますか?
- クラミジア等の性行為感染症を引き起こす病原体で前立腺炎になることはあります。
- オーラルセックスで雑菌に感染して、それが原因で前立腺炎になることはあります。
前立腺炎治療中の性行為はしてはいけないのですか?
- 細菌がいなければ性行為は可能です。
- クラミジア感染の場合は、治療後クラミジアが消えていることを確認してからでないと性行為はしてはいけません。
- マスターベーションによる射精は、一切問題ありません。
前立腺炎の予防法は?
- 長時間のデスクワークや車の運転をする時は、1〜2時間毎に席を立ったり、車から降りるように心がける。
- 自転車、バイクは最もリスクが高いので、長時間乗ることはなるべく避ける。
- 疲れやストレスを貯めないように心がける。
- 飲酒は控え、特に症状がある時は禁酒が必要。
- 下半身を冷やさないように気をつける。
- 行為性感染による発病を防止する意味からコンドームを使用する。
- 性行為の後に症状が気になる時は、直ぐに泌尿器科の受診する。
前立腺炎の現状は?
- 若い世代、特に30〜40 歳代に多く見られます。
- 最近では性行為感染症の病原体による前立腺炎も多く見られるようになって来ています。
- 慢性前立腺炎の原因としては、
1.長時間のデスクワーク、長時間の乗り物での移動、長時間の自動車運転、自転車・バイク(特にスポーツタイプ)などによる前立腺の機械的刺激が大きな要因となりますので、注意が必要です。
2.疲労、ストレス、飲酒、冷えなどによる体の抵抗力低下もリスクファクターとなります。
- 前立腺炎は治りにくいこともあることから、治療を受けても症状が持続するので、医師に対しての不信感が募り、医師を次々と渡りやすくなる病気です。
- 医師による治療方法の違いはほとんど無いことから、話をよく聞いてもらえる主治医に巡り会えたらそれ以上医師を変える必要はありません。
- 治療が長期戦になることもありますが、ある程度症状が落ち着いてきたら症状と気長に付き合っていくことも必要です。
何科を受診すればよいのか?
written by 血液の鉄人