子宮頸癌について
子宮頸癌とは何ですか?
子宮頸部と呼ばれる子宮の出口より発生する癌です。
ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)の感染によって発症する性行為感染症のひとつです。
子宮頸癌と子宮体表癌ではどのように違うのですか?
子宮頸部から発生する癌を子宮頸癌。
子宮体部の子宮内膜から発生する子宮体癌。
子宮頸癌の大部分は扁平上皮癌で、罹患者は20歳代から出現し始めて30〜40歳代で増加しますが、子宮体癌の大部分は腺癌で、50歳代に年齢分布のピークがあります。
また、子宮頸癌の発症は発癌性ヒトパピローマウイルス(HPV:human papillomavirus)感染が原因で発生しますが、子宮体癌はホルモン依存性の代表的な癌です。
子宮頸癌になるとどのような症状が出るのですか?
初期の子宮頸癌には、ほとんど自覚できるような子宮頸癌の症状がありません。
自覚症状としては、不正性器出血がもっとも多く、とくに性交時に出血しやすくなり、おりものが増えることもあります。
子宮頸癌を治療しないとどうなるのですか?
癌が少し進行すると、月経でない時の出血、性行為の際の出血 やふだんと違うおりものが増えたりします。
他に月経の量が増えたり長引いたりすることもあります
さらに癌が進行してくると、下腹部痛、腰痛、下肢痛や血尿、血便、排尿障害が現れることがあります。
子宮頸癌の検査はどのようにするのですか?
子宮頸部を綿棒などでこすって細胞診用の検体を採取し、細胞診で異型細胞が認められた場合には、腟拡大鏡(コルポスコープ)で観察しながら、疑わしい部分の組織を採取します。
そして採取した組織を病理学的に検査して診断を確定します。
HPV 検査は子宮頸癌の原因である高リスク型 HPV 感染の有無を判定する検査で
細胞診と同様に子宮頸部から採取した細胞を用い、HPV 感染を判定する検査法です。。
30歳以上では10%弱が HPV 陽性と判定され、HPV 検査による癌または前癌病変の発見率は約95%と言われています。
細胞診と HPV 検査を併用した場合、癌または前癌病変の発見率はほぼ100%です。
子宮頸癌の治療法はどのようにするのですか?
治療法は病変部位を含め、子宮頸部の一部分を円錐状に切除する円錐切除術が一般的です。
円錐切除術では子宮を切除することなく、ほぼ完治するが再発の可能性もある。
子宮を残すことができるため、術後の妊娠・出産にもほとんど影響はないとされているが頸管無力症などの合併症も報告されています。
進行癌の場合は子宮の他、卵巣や卵管、その周りのリンパ節などの臓器も摘出することになります。
子宮頸癌の検査はいつ受けたらいいのですか?
癌発生の早期化が進み、子宮頸部部分切除等の処置を受ける早期癌症例が、20歳台から増加傾向にあります。
ことからして、HPV感染齡の若年化と感染の広がり、子宮頸癌発生年齢に極めて強い影響を与え、子宮頸癌発生の若年化が起こりつつあることから最近では、30歳になってから予防のための細胞診を勧めるのでなく、 性交経験を持った年から、細胞診を毎年行う必要があるとの意見さえ出始めてきています。
子宮頸癌になるとHIVに感染しやすいのですか?
子宮頚部がただれることにより、感染防御バリアが破壊されて感染しやすい状態となります。
性行為で子宮頸癌になりますか?
子宮頸癌は、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)の感染によって発症することから、 コンドーム無しで不特定多数の人との性行為をすることにより、感染リスクは増大することになります。
子宮頸癌の治療中の性行為はしてはいけないのですか?
完全に治療が終わるまで控えるべきです。
性行為によるヒト乳頭腫ウイルス(HPV)の感染リスクは?
HPVに感染することは決して特別なことではなく、性交経験がある女性なら約80%はハイリスクタイプのHPVに一度は感染するとされています。
HPVは性行為により感染しますが、その他の性行為感染症とは全く概念が異なります。
その理由としては、ハイリスクタイプのHPVに感染してもほとんどの場合は一過性で、HPVは自然に排除されますが、 HPVが排除されずに長期間感染が続くと、子宮頸部の細胞が次第に異常な形態(異形成)となっていきます、異形成に変化しても多くは自然治癒しますが、子宮頭部にHPVが感染すると容易に前がん病変(異形成)が生じ、約1,000人に1人の割合で5年から10年経過して浸潤がんが生じると考えられています。
ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)に感染すると必ず子宮頸癌になるのですか?
子宮頸癌は、性交による感染リスクの高い癌ですから、誰がなっても不思議はありませんが、ヒトパピローマウイルスは(HPV)、に感染すると必ずしも発症するわけではなく、遺伝や体質なども関係してると考えられてて、免疫力により排除されたり、自然消滅する場合もあるようです。
子宮頸癌の予防法は?
日常生活での入浴・シャワー浴等、特に性行為前後のシャワー浴などで外陰部を清潔に保持することにより、かなり予防できると言われています。
コンドーム無しの不特定多数との性行為を行わないことも、予防法のひとつです。
コンドームの正しい使用でHPVの感染はある程度は防げますが、HPVの感染箇所は外陰部、肛門周辺、肛門内、尿道口、膣、子宮頚部、陰茎亀頭部周辺などのコンドームで覆われない場所にも存在するためコンドーム使用だけでHPV感染を100%完全に防ぐことはできません。
子宮頸癌の現状は?
HPVの子宮頸部への感染はほとんどが性交渉によるもので、性交渉によって子宮頸部粘膜に微細な傷が生じ、そこから子宮頸部の基底層にウイルス が侵入して感染が起こると考えられています。
HPVに感染することは決して特別なことではなく、性交経験がある女性なら約80%はハイリスクタイプのHPVに一度は感染するとされています。
HPVは性交渉により感染するが、性行為感染症とは全く概念が異なります。
ハイリスクタイプのHPVに感染してもほとんどの場合は一過性で、ウイルスは自然に排除され、 ウイルスが排除されずに長期間感染が続くと、子宮頸部の細胞が次第に異常な形態(異形成)を示すようになりますが、
異形成に変化しても多くは自然治癒していきますが、子宮頭部にHPVが感染すると容易に前がん病変(異形成)が生じ、 約1,000人に1人の割合で5年から10年経過して浸潤がんが生じると考えられています。
そのため定期的な子宮頸癌検診により前癌病変やごく初期の癌の段階で発見できれば子宮が温存でき、その後の妊娠や出産が可能です。
子宮頸癌の早期発見のためにも、子宮頸癌検診を定期的に受診することが非常に重要となります。
子宮頸癌の予防ワクチンとは?
発癌性HPVの中でも特に子宮頸癌の原因として最も多く報告されているHPV16型と18型の感染を防ぐワクチンで、海外ではすでに100カ国以上で使用されています。
日本では2009年10月に承認され、2009年12月22日より一般の医療機関で接種することができるようになりました。
HPV感染を防ぐためには、ワクチンを3回接種する必要があります。
ワクチン接種により発がん性HPVの感染から長期にわたってからだを守ることが可能ですが、このワクチンは、すでに今感染しているHPVを排除したり、子宮頸部の前癌病変や癌細胞を治す効果はなく、あくまで接種後のHPV感染を防ぐものです。
このワクチンは、接種時の激しい痛み等の副作用も報告されていますし、このワクチンの効果を疑問視する医師や研究者もいることも事実です。
何科を受診すればよいのか?
産婦人科
written by 血液の鉄人
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