性器カンジダ症について

カンジダとは何ですか

• 真菌（カビ）の一種、カンジダ属の諸種、カンジダ・アルビカンスにより引き起こされる性行為感染症のひとつです。

性器カンジダはどのようにして感染するのですか？

• 性行為によって感染しますが、もともと人が膣内や腸管などに持っていることが多い真菌で、体調を崩すなどの何らかのきっかけ によって、さまざまな症状を引き起こします。
• 疲れがたまるとカンジダ菌が繁殖しやすくなりますから、体調の管理が大切です。
• 男性の場合、性的接触によって女性から陰茎の皮膚にカンジダが付いても、入浴やシャワーで清潔にしているかぎり感染することはほとんどありません｡
• 女性の場合、通気性の悪い下着・衣類の着用による陰部の蒸れに注意する必要があります。

性器カンジダ症の感染する場所はどこですか？

• 性器カンジダ症は、男性器と女性器の構造の違いにより、体外に露出していて通気性が良くあまり菌が増殖する環境にない 男性器では起こりにくですが、包茎の人は、その部分の通気性が悪く不潔になりやすいことから、やや発生率が上がる傾向があります。
• 女性には非常にポピュラーな病気で、性交未経験者でもしばしば自発し、痒み等性器の異常を感じて婦人科を受診する人 に感染が見られます。

感染するとどのような症状が出るのですか？

• 男性の場合
• 性器にカンジダ菌を保有していても症状がほとんど出ません。
• 包茎、糖尿病、ステロイド剤の投与などが原因で、症状が出ることもあります
• 性器カンジダ症の主な症状としては、
• 亀頭のかゆみやただれ
• 亀頭に小さな水泡
• まれに尿道炎を起こす
  
  
• 女性の場合
• 膣と外陰部に同時に症状が現れることが多く外陰膣カンジダ症といわれます。
• 性器カンジダ症の主な症状としては、
• 外陰部や膣のかゆみ
• ヨーグルト状のおりものの増加白いドロッとした、あるいは塊状のおりもの（酒粕、カッテージチーズ、ヨーグルト、豆腐くず等に似た状態）
• 性器の炎症（灼熱感、痛み）
• 性交時の痛み
• 排尿障害

性器カンジダ症を治療しないとどうなるのですか？

• 放置すると悪化し、治りにくくなるおそれもあるため、早期に適切な治療を行うことが大切です。

性器カンジダ症の検査はどのような検査があるのですか？

• 男性の場合、検尿やスワブという細い綿棒状の物を外尿道口より入れて分泌物を培養する方法が一般的です。
• 女性の場合は、検尿や専用の綿棒で膣分泌物を採取して検査をします。
• 検査による痛みはありません。

性器カンジダ症の検査はいつ受けたらいいのですか？

• 感染する機会があった日から、少なくても1ヶ月以上経過しないと検査判定できません。

性器カンジダ症の治療法はどのようにするのですか？

• 女性の場合、膣を洗浄し、抗真菌剤を膣内に投与しますが、かゆみがひどい場合は抗真菌剤を外陰部に塗ります。
• 男性の場合は、患部に抗真菌剤を塗ります。
• 一般的には3〜4日で症状が軽くなり、1〜2週間程度で治癒します。

性器カンジダ症はなぜ女性に多いのですか？

• 女性の膣内は普段乳酸桿菌の作用による酸性の粘液で保護され、必要以上の常在菌の増殖を抑えていますが、 ホルモンバランスの変化により膣粘液の自浄能力が低下すると、カンジダが異常増殖し、自家感染する場合が多くなるからです。
• 女性に特有の疾患で、成人女性の約10％、妊婦の約30％にカンジダ菌の膣内感染が認められたとの報告があります。
• カンジダ菌の検出だけでは性器カンジダ症とは言えません。
• また、男性に症状が出ることは少ないと言われています

性器カンジダ症検査はパートナーと二人でなぜ受ける必要があるのですか？

• 女性から男性へ感染する可能性はかなり低いことからして、パートナー二人で検査を受ける必要性はほとんどありませんが、 女性がカンジダ症を多発する場合、パートナーの男性も一緒に検査し、治療をうけることを薦めます。

性器カンジダ症に感染しているとHIVに何故感染しやすいのですか？

• カンジダ症の影響で、粘膜や外性器、子宮内膜などに病変がある場合には無い場合と比較して、HIVに感染しやすくなります。
• カンジダにより粘膜がタダレれて、防御バリアが破壊され、その場所からHIVの侵入がたやすくなるからです。

性器カンジダ症の感染予防はどのようにすればよいのですか？

• 性交渉において、最初から最後まできちんとコンドームを使用することによって、カンジダ感染は予防できます。
• 女性の場合、通気性の悪い下着、刺激の強い洗浄剤の使用、膣洗浄器(ビデ)の使いすぎ、日常から過剰に膣内を洗浄していると、 善玉菌まで洗い流してしまい、逆にカンジダ症発生の原因になる可能性があるので、注意が必要です。
• 男性の場合も、通気性の悪い下着を着けない、性器を常に清潔にする、包茎の場合、亀頭冠状溝(通称カリと呼ばれる部分)が 不潔になりやすいので、注意する必要があります。

性器カンジダ症の現状は

• 成人女性の約10％、妊婦の約30％にカンジダ菌の膣内感染が認められたとの報告があります。
• ただし、カンジダ菌の検出だけでは性器カンジダ症とは言えません。
• 自分の腸管にもともと存在するカンジダが、肛門から膣内に侵入するという経路により、新たに膣に感染することがあります。

感染しやすい状態があるのですか？

• 風邪、疲労、ストレスなどで免疫力が低下したり、ステロイド剤、抗生物質の乱用や妊娠などで症状が出ることがあります。
• 性器を清潔に保つこと、刺激性石けんの使用しない、通気性のよい下着の使用する、膣洗浄器(ビデ)の使いすぎない、症状が有る場合は性行為を避けること、 です。

１回の性行為での感染率は？

• 性行為により感染する性器カンジダ症のしめる割合は５％程度と低いと考えられています。

何科を受診すればいいのですか？

• 男性 皮膚科、性病科
• 女性 産婦人科､皮膚科、性病科

written by 血液の鉄人