感染するとどのような症状が出るのですか?
- 感染してから、2週間から約1ヶ月の潜伏期間があって発症します。
- 激しい痒みが、顔、頭をのぞく全身に起こり、夜、寝床の中で体が温まったときに痒くなるのが特徴です。
- 赤い小さなぽつぽつ、大きなしこり、又、がさがさが体、腕、脚などに見られるほか、指の股、手のヒラ、足のうらなどの水ぶくれ、よく手首などに見られ、疥癬トンネルと呼ばれる3〜6ミリくらいの細長い皮疹などが特徴的です。
- 男性では、陰嚢に赤褐色のしこりがよく見られます。
- 重症の疥癬患者から感染した場合は、その潜伏期間は短くなる傾向があります。
- また、一度直って、二回目、三回目の感染では感染後1ヶ月経たずにすぐ痒くなってきます。
疥癬を治療しないとどうなるのですか?
- 痒いために掻きむしる為に、細菌による二次感染によって色々複雑な状態に陥ることがあります。
疥癬の検査はどのような検査があるのですか?
- 感染している可能性のある場所の皮膚の小片をピンセットでとり、顕微鏡で、この成虫、虫卵がいるかどうかを検査します。
疥癬の検査はいつ受けたらいいのですか?
- 激しいかゆみがあるなど、自覚症状が出れば直ぐに受診することです。
疥癬の治療法はどのようにするのですか?
- 風呂にはいって、石鹸で体を良く洗い、皮膚科医の指示通り薬剤を塗る必要があります。
- 素人判断で薬剤を使用すると、症状を悪化させることがあります、特にステロイドを含む軟膏を使用しますと、一時的には症状は治まりますが、
その後一段と症状が悪化します。
さくら検査研究所
疥癬の検査はパートナーと二人でなぜ受ける必要があるのですか?
- 体が密接に接触することで感染しますから、当然パートナーへの感染のリスクは高いことから、必ずパートナーと二人で検査を受ける必要があります。
- 感染者と同じ部屋で布団を接して寝ている場合は、症状がなくても予防的に治療することが望ましいとされています。
- 二人を同時に治療しないと、片方が治っても、治っていない片方から感染(ピンポン感染)してしまいます。
ヒゼンダニに感染しているとHIVに感染しやすいのですか?
- ヒゼンダニに感染していても、HIVに感染しやすくはなりません。
1回の性行為での感染率は?
- 性行為そのものだけで感染するのではなく、ヒゼンダニが感染している場所に接触することにより
感染します。
- 感染率は10%以上です。
疥癬の予防法は?
- 性行為以外での感染が多いため、コンドームによる予防は役に立ちません。
- ひとりの感染者が家庭内に発生すると、家族全員に感染する危険性が極めて高いので注意が必要です。
疥癬の現状は?
- 以前は性行為による感染が多く見られましたが、現在は高齢者とその介護者に多く見られる様になっています。
何科を受診すればよいのか?
【追 加】ノルウェー疥癬(角化型疥癬)とは?
- ノルウェー疥癬(角化型疥癬)は、100万〜200万匹のヒゼンダニが感染した疥癬の重症型です。
- ノルウェー疥癬は1848年にはじめてこの症例を報告したのがノルウェーの学者であったことから、呼ばれるようになっています。
- 患部は、肥厚した灰白色〜帯黄白色の角質増殖と痂皮に覆われた状態になり、亀裂も起こります。
- 患者から剥がれ落ちた鱗屑や痂皮には多数のヒゼンダニがいるので、集団発生の感染源となります。
- ノルウェー疥癬患者は、高齢者に多くみられる運動機能低下・障害、あるいは免疫学的異常など種々の基礎疾患があり、ステロイド剤の内服・注射などの全身投与や外用なども重症化の一因となります。
- また、AIDSを発症して免疫不全の状態になれば、ノルウェー疥癬を発症することも確認されています。
- 施設でノルウェー疥癬患者が出た場合、すでに多くの入所者やスタッフに感染が広がっていると考え、早急に対策を講じる必要があります。
手に出来たノルウェー疥癬の写真
体に出来たノルウェー疥癬の写真