野口英世と神経梅毒







野口英世(1876〜1928)は、医学史上に非常に多くの業績を残した細菌学者であることは、多くの人が知っていることです。

野口英世の業績は、蛇毒の分類・生態・生理・咬む傷の病理・治療・蛇毒の薬理作用・抗毒素、黄熱病ワクチン等数多くあります。

中でも有名な業績として、進行性麻痺患者・脊髄癆の患者の脳から梅毒スピロヘータを発見したことです。

当時、進行性麻痺や脊髄癆は潜伏性に梅毒が進行したもの(神経梅毒または脳梅毒)であることは、知られていましたが、医学的には証明されていませんでした。

米国ロックフェラー研究所に在籍していた1913年、野口英世は、進行性麻痺・脊髄癆の患者の脳病理組織を細かく切り、その細胞をスライドグラスに乗せ、顕微鏡によって脳細胞の中に梅毒スピロヘータがいないか、日々精力的に調べました。

調べた枚数は膨大な数であったと言われています。

彼の血の出る様な努力の結果、梅毒で脳障害を起こして死亡した患者の脳組織の中に梅毒スピロヘータを発見しました。

その結果、進行性麻痺・脊髄癆(神経梅毒または脳梅毒)が、梅毒によるものであることを世界で最初に医学的に証明しました。


 
文化人切手 野口英世
1949年 日本発行

野口英世生誕100年記念切手 
1976年 エクアドル発行


 

20世紀の科学者と医学者切手 
1993年 ガイアナ発行

20世紀デザイン切手シリーズ第2集 野口英世博士の活躍
1999年 日本発行

野口英世博士生誕120周年記念切手
1997年 ガーナ発行
切手左から墓石・肖像・生家・ レゴンの野口記念研究所・アクラの野口庭園

 






written by 血液の鉄人



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