切手で見るエイズ検査(HIV抗体検査)







エイズ検査(HIV抗体検査)

 エイズ感染の有無を調べるHIV抗体検査法は下記のものがある。

 @エライサ法(Enzyme-Linked Immunosorbent Assay:ELISA、Enzyme Immunoassay:EIA)
 粉砕したHIV粒子を吸着させたトレイまたはビーズに希釈した患者血清を加え、37℃で一定時間加温後洗浄し、酵素と色素を加えその発色の度合いを測定し、HIV抗体が存在すると黄褐色に発色する。

 Aゼラチン粒子凝集法(Particle Agglutination:PA法)
 日本で開発された検査法で、患者血清を偽の陽性反応を起こす物質を吸着する希釈液で希釈し、それにに精製HIV抗原を吸着させたゼラチン粒子を加え、トレイの中で一定時間静置しゼラチン粒子の凝集像を判定すし、HIV抗体が存在するとゼラチン粒子がトレイ一面に広がる。

 B蛍光抗体法(Immuno-Florescent assay:IF法)
 スライドグラス上にHIVを感染させたヘルパーT細胞を固定したものに、希釈した患者血清を乗せ、37℃で一定時間加温後洗浄し蛍光色素を乗せ、再び37℃で一定時間加温後、再洗浄し蛍光顕微鏡でヘルパーT細胞の蛍光の有無を観察し、HIV抗体が存在するとヘルパーT細胞が蛍光を発する。

 Cウエスタン・ブロット法(Westan blot)
 HIV粒子蛋白をポリアクリラマイドゲル泳動し、それをニトロセルロース膜にblotし、患者血清を乗せ、酵素標識抗体を反応させ特異的な抗原蛋白のバンドの有無を観察し、HIV抗体が存在するとバンドが出現する。

 DPCR法(Polymerase-Chain Reaction:合成酵素連鎖反応)
 耐熱性のポリメラーゼを使用しHIVのゲノムを増幅させてその存在を調べる。

 @、Aの検査法は一度に多数の検査が行えることからスクリーニング検査に使用されるが、これらの方法で陽性となった場合でもおよそ1,000人に3人の頻度で偽の陽性反応が発生することから、B〜Dの確認検査法で真のHIV抗体が存在するかを確認する。





世界で最初にエライサ法によるHIV抗体検査が描かれた切手
バハマ1995年発行




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